【名作漫画】『まんが道』に見るフリーランスのリアルな実態【藤子不二雄A】
昔から繰り返し読んでいるバイブル的な漫画作品があるという人も多いと思いますが、僕の場合は藤子不二雄A先生の『まんが道』がそれに当たります。
つい最近も全巻を一気に読んだばかりで、読んだ後は不思議と創作意欲が湧いてくるので、人生の節目や仕事が一段落した時に折に触れて読んでいる作品です。
実は『まんが道』に描かれている内容はフリーランスの生活そのもので、フリーランスで仕事をしている人であれば共感できる場面がたくさん登場します。
今回は、いかに『まんが道』がフリーランスのリアルな実態を表しているかを紹介します。
『まんが道』とは
藤子不二雄Aが描く、藤子不二雄の自伝的な青春長編漫画です。掲載誌が変わりながら連載は43年間にわたって続き、2013年に完結しました。1986年にはNHKでドラマ化されています。
満賀道雄と才野茂の出会いから始まり、少年時代~トキワ荘時代が描かれ、内容や登場人物などはほぼノンフィクションですが、若干アレンジが加えられています。
映像で見る『トキワ荘』
仕事を受けまくる
仕事中の散歩
『まんが道』では、仕事のアイデアを練るために散歩をする光景が頻繁に見られます。
たしかに漫画家のようなクリエイティブな仕事の場合、机に向かっているだけではいいアイデアは浮かばないので、気分を変えるため散歩に行くのは理にかなっていますが、この気軽さはフリーランスならではだと思います。
『まんが道』における散歩の光景は一見すると気軽に見えますが、完成までの過程は関係なく結果さえ出せばいいというフリーランスの実力主義の実態がリアルに表現されていると思います。
お金の描写
『まんが道』では、しばしばお金の話題が登場します。
藤子不二雄は故郷の富山県高岡市で漫画を描いていた頃から、雑誌の漫画賞に応募して賞金稼ぎをしており、2人の名義で預金通帳を作り貯金額が増えていく様子は、漫画で稼いでいるというリアルさが伝わってきました。
また、上京して漫画家になってからは、各雑誌から現金書留が郵送されたり、源泉徴収されたギャラを直接受け取る描写がとてもリアルで、当時の漫画家の生活実態が垣間見れます。
食事の風景
『まんが道』では食事の場面が頻繁に登場します。
ラーメン屋「松葉」のラーメン、カレー、自炊、チューダーパーティー、和食、洋食、お菓子などバラエティ豊かで、『まんが道』と食事は切っても切り離せません。
食事シーンの多さは、漫画制作は体力勝負であり、食事が重要な気分転換のひとつだったことがうかがえます。
まとめ
『まんが道』は藤子不二雄の自伝としてだけでなく、フリーランスの人なら共感する場面がたくさん登場し、当時の漫画家のリアルな実態がわかります。
『まんが道』では、満賀と才野が漫画家という夢に向かって一心不乱に突き進みますが、その姿に自分を重ねることで当時の漫画家の生活が追体験できる素晴らしい作品です。