グラフィックデザイナーを目指す人にとって必要な能力とは、どのようなものがあるでしょうか。
例えば「センス」「才能」「絵が描ける」など、人によってグラフィックデザイナーという職業の印象はさまざまです。
僕がこれまでて20年ほど企業でデザイナーとして働き、その後フリーランスになって考えた、デザイナーに必要な能力をご紹介します。
話のポイントをつかむ能力
グラフィックデザイナーの
仕事の流れをおおまかにご紹介します。
1、発注(印刷会社などから印刷物の依頼を受ける)
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2、打合せ(どのような印刷物を制作するのかヒアリングする)
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3、制作(印刷物のデータを作成する)
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4、納品(完成したデータを納品する)
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5、仕事完了(請求書を出す)
この中で重要なのは、2の打合せです。
印刷物の制作を依頼するクライアントは、何かしらの悩みや願望を抱えているので、打合せで制作する印刷物がどんなデザインで誰に向けたものか、制作物のポイントを把握します。
例えば、「お客様にもっとお店に来てもらいたい」「商品をもっと売れるようしたい」などです。これら依頼者が抱えている悩みや願望に応えるのが、グラフィックデザイナーの役割です。
打合せの段階で曖昧な部分や不明瞭な部分を明確にし、いかに依頼内容のポイントをつかむかが、その後の制作をスムーズに進めるために重要になります。
正確にものを見る能力
グラフィックデザイナーは絵は描けなくても問題ありませんが、良いものと悪いものを見極める能力は必要です。
それは正確にものを見る能力。いわゆる審美眼と呼ばれるものです。
例えばチラシを作成する際、「いかに雰囲気に合ったイラストや写真を選ぶか」がとても重要になります。選ぶ素材ひとつでチラシの効果に差が出るからです。
媒体の目的に沿った最適な素材を選ぶことはグラフィックデザイナーにとって重要なスキルになります。
審美眼を鍛えるには高品質な絵や写真、映像などに数多く触れることです。
自分の眼にいろいろな情報を覚え込ませて眼を肥えさせることが審美眼を鍛えるにはとても重要です。
多くの引き出しを持つ
グラフィックデザイナーの仕事はDJに例えられることがあります。
DJはさまざまな曲を組み合わせて、その場の雰囲気に合った音楽をお客様に提供する仕事です。
グラフィックデザイナーの仕事も、依頼者が希望する印刷物に合ったデザインを、さまざまな素材を組み合わせて作って満足していただく仕事です。
時間の制約がある中で、印刷物に最適な写真やイラストやフォントを選び、クライアントの希望に沿ったものを作成しなければなりません。
そのためには自分の中に多くの素材の引き出しを持っていなければなりません。
引き出しを増やすには、いろいろなものを見たり体験したり、あらゆるものにアンテナを張り吸収する事が重要になります。
【まとめ】依頼者が満足する制作物を作るのが仕事
デザイナーに必要な能力をまとめると以下のようになります。
・話の要点をつかむ能力
・正確にものを見る能力
・多くの引き出しを持つ
これら以外にも必要な能力はありますが、この3つのポイントを押さえることで、依頼者の希望に沿った制作物に仕上げることができます。
グラフィックデザイナーの仕事というとセンスや技術論になりがちですが、依頼があってはじめて成り立つ仕事だからこそ、技術だけではない能力が重要になると思います。