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Kindleで水木しげるの漫画『ゲゲゲの家計簿』を購入して読んだところ、フリーランスの日常に通じる部分があったのでご紹介します。
水木しげるの漫画は昔から好きで、中でも水木しげる自信を描いた自伝が好きなんです。
水木しげるの自伝は、貧乏エピソードが多いのですが、普通は貧乏というと悲壮感あふれる内容を想像しますが、水木しげるの自伝は違います。
貧乏そのものを楽しんでいる感じが滲み出ており、常にユーモアのあるところが、なんともいえずいい味わいがあります。
貧乏生活と家計簿
『ゲゲゲの家計簿』は、水木しげるがまだ有名になる前、「水木荘」というアパートの家主をしつつ紙芝居を書いていた頃から、水木プロダクションを設立するまでの期間を描いた漫画です。
タイトルに「家計簿」とあるように、ストーリーの中で水木しげる自身が普段の生活で買ったものや仕事の売上や経費などを家計簿につける様子が詳細に描かれています。
綱渡り状態で生活費をやり繰りする様子は大変そうですが、水木しげるが描くとあまり悲壮感に満ちていないのが不思議です。
どこかのほほんとしていてユーモアがあり、「なんとかなるさ」という楽天的な性格が垣間見れます。
貧乏自体を笑い飛ばすような描写は読んでいて勇気づけられますし、「深刻に考えなくてもなんとかなる」というメッセージも伝わってきました。
フリーランスの日常
『ゲゲゲの家計簿』に描かれている内容は現代に置き換えると、まさにフリーランスの生活そのものです。
漫画の中で出版社が簡単に倒産したり未払いのエピソードを読むと、他人ごととは思えません。
例えば手形についてのエピソードは衝撃でした。
今すぐ払えないがいずれ払う予定のお金を見込んで手形を切ってもらいますが、結局不渡りになり、手形は紙切れ同然になるという、自分に置き換えるとものすごい怖いことですが、水木しげるは切り替えて次の仕事に取りかかります。
また質屋のエピソードも興味深く、生活用品のほとんどを質屋に入れて山のような質札を税務署の役人に見せて怒る場面は鬼気迫るものがありました。
まさにフリーランス生活に起こりうるエピソード満載なので、フリーランスの人は一読していただきたい漫画です。
食事シーンが面白い
水木しげるはかなりの食いしん坊らしく、漫画の中にも頻繁に食べるシーンが登場します。
サツマイモや熟れたバナナ、コーヒー、饅頭など、水木しげるの食に対する好みがわかり、
食べ方の描写も独特で美味しそうなので見ていて飽きません。
日々の貧乏生活の中でも、好きな物を食べるという楽しみを糧にして生活していた様子がうかがえます。
また、当時の時代を反映した食品の価格から国民の生活水準も垣間見れます。
もちろん、購入した食品の家計簿もきっちり描写されています。
生き方の参考になる
全編を通して漂う「なんとかなるさ」という楽天的な、水木しげる独特の感性は読む人に安心感を与え、肩の力を抜いてくれます。
自分でも仕事で行き詰まったり、仕事が暇な時に悲観的になったときに、この漫画を読み返して励みにしていました。
また、家計簿を楽しんで付けている水木しげるの姿は楽しそうでもあり、どこか貧乏を楽しんでいるようにも見えます。
人生の生き方は人それぞれですが、この漫画から感じられるのは、あまり深刻に考えても、なるようにしかならない、という水木しげるからのメッセージのような気がします。
【まとめ】
この漫画に登場する人物たちはどこかのほほんとしていて憎めないキャラクターばかりです。
家計簿と聞くと難しい内容を想像するかもしれませんが、気楽に読める自伝漫画です。
ブレイクする前の水木しげるの生活が垣間見れる貴重な内容でもあります。