社会に出て会社などで働くようになっても、一番大切なはずのお金の使い方について勉強する機会は意外と少ないと感じますよね。
街に出れば消費意識を煽るもので溢れており、お金を使わないようにするのが難しいくらいです。
お金は使い方を間違えれば人生が大きく狂ってしまう恐ろしいツールです。
そんなリアルなお金の怖さを実感できるのが、2019年に完結を迎えた漫画「闇金ウシジマくん」です。
今でも繰り返し読み返すほど好きな漫画です。
中でも「フリーターくん編」がお気に入りで、お金、家族、人生など、考えさせられる要素が凝縮しているエピソードです。
「闇金ウシジマくん」の「フリーターくん編」を中心に、お金の大切さと怖さについてご紹介します。
「闇金ウシジマくん」とは?
2004年から2019年にかけて15年にわたり『ビッグコミックスピリッツ』で連載された、真鍋昌平による青年漫画。
カウカウファイナンスというヤミ金業を営む主人公・丑嶋馨(うしじま かおる)を中心に、彼をとりまく様々な人間模様をリアルな画風とストーリーで描いている。
物語の主役となるのは、借金や病気を抱えたいわゆる社会的弱者の場合が多く、ギャンブルやソシャゲ、多重債務、薬物など、それぞれの時代の社会の闇を取り上げている。
「フリーターくん」編のストーリー概要
主人公の宇津井優一(35歳)は独身で両親と3人暮らし。
たまに登録制の派遣の仕事をしており、それ以外はパチスロをして生活している。
パチスロで消費者金融から借金をしており、派遣の仕事で稼いだ金もその日に無くなってしまうような使い方をしている。
また、優一の母・美津子も株にハマり、多額の借金を背負うことになる。
「フリーターくん編」では、優一とその母のエピソードが同時進行で進んでいく。
早期退職して仕事をしていない父親は、あるとき息子と妻の借金を知り、家族の生活は思わぬ方向へ動き出す。
お金の怖さと人間の弱さ
「フリーターくん編」では、借金まみれの主人公・優一がパチスロで数万円を一瞬で溶かす描写や無人契約機で手軽にお金を借りる様子が、残酷なまでにリアルに描かれています。
これらを読むと、人間がいかに簡単に金銭感覚が麻痺するかや、ギャンブルにハマる人間の弱さがよくわかります。
お金の使い方次第で何気ない日常が地獄にもなることが怖いほど実感できるエピソードです。
スキルがないことの怖さ
このエピソードが連載されていた2006年頃は日本の景気が悪く、正社員になるのが難しい時代で、派遣という不安定な形態で働く人が大勢いました。
登録制の派遣で仕事をしている優一は、当時の派遣という働き方の代弁者として描かれている気がしました。
優一は何も積み上げることもせず、運転免許もスキルもないため、できる仕事が限られます。
このエピソードを読むと、スキルを身につけないで社会で働く怖さと、社会の中でスキルがない人がどう扱われるかがよくわかります。
家族の役割りの重要さ
母親も株で失敗して多額の借金を背負い、最終的に家族にばれて家を失ってしまいます。
また、優一も借金がばれて家を追い出されてしまいます。
家族が壊れていく様子が淡々と描かれており、現実の話をそのまま描いたようなリアルさがありました。
バラバラになってしまった家族ですが、物語の終盤で家族を取り巻く状況に大きな変化があります。
最悪の事態になっても最後に見方になるのはやはり家族なのかな、と思ったと同時に家族という共同体の役割の重要さも実感しました。
【まとめ】お金の使い方について考える
「フリーターくん編」を読むと、悪いお金の使い方が本当によくわかります。
学校では具体的なお金の使い方は教えてくれないので、できれば社会に出る前の学生に読んでもらいたいと思います。
お金の稼ぎ方も重要ですが、お金の使い方も同じくらい重要なことを「闇金ウシジマくん」で教えてもらった気がします。